カテゴリー別アーカイブ: 黒ちゃんの「釣りときどきお遍路」日記

2日目「お大師様カットでお願いします」

写真 2 (4)

写真 42日目
歩数 29328歩
距離 21km

朝食を6時にとるが、このブログの1日目の原稿を書かなければいけなくて、出発を7時にずらしたが意外に手間取り、実際のスタートは8時くらいになった。高知屋のおばさんにお遍路ードプロジェクトで「楽しいお遍路」を実践しながら歩いて今朝が2日目と話し、高知新聞の朝刊で旅の様子を毎日記事にしていると話すと、「がんばってくださいね」とやさしい言葉をかけていただいた。私もお礼に「ここのお遍路さん用の無料洗濯サービスは、どこの一流ホテルでもやっていませんよ」とほめちぎると嬉しそうだった。高知屋さんもがんばってくださいね。

33番札所の雪渓寺は、まだ8時過ぎだというのにバスでやってきた団体のお遍路さんで境内はいっぱいだった。真言も般若心経も手早く済ませて納経帳に判と墨書をいただき34番種間寺に向かう。種間寺までの遍路道には野の花があふれていて、花好きを飽きさせない。野仏の素朴な表情や芍薬園の大ぶりな芍薬の花畑などをのんびり眺めながら歩くうちに種間寺到着。
種間寺の山門前には珍しいことだが床屋さんがある。ご主人に聞くと88ヶ寺で床屋さんが備わっているのはここだけだろうという。黒ちゃんは半月前に散髪を済ませていたのだが、ここはぜひ体験したくなって、本堂にお参りする前に飛び込んだ。床屋さんは小野理容店といって、高知市内の愛宕4丁目で開業していたが、年もとったので実家のある春野に帰ってきてここで開業したのだという。
「どんな風にしますか」と聞かれたので「お大師さまカットでお願いします」と言うと「よっしゃー」という感じで見事に整えてくれました。どこがお大師様風なのか聞き逃しましたが。(笑い)
34番種間寺もバス遍路さんで境内は満杯昨晩あたりからだった。ここ2日間だけだがお遍路ブームは確かにきているなと感じる。私の直前に小野理容店で散髪したのはイギリスから来た外人さんだったというし。

ご本尊薬師如来さまに真言を捧げて種間寺をあとに次の目的地「金春」に向かう。失礼、「金春」はお寺ではなくうなぎ屋さんです。我が家はここの「うな重」の大ファンなので、すぐそばまで来たのに素通りはできない。高知新聞の竹内記者を説得して1時間の遠回りルートで金春に到着。昼どきで混んでいたが諦めず15分待ちの列に並んだ。
人気の茶碗蒸し付きうな重でパワーをつけ、体を休めて本日の宿泊先のホテルがある土佐市に向けて歩き始めるが、炎天下の遠回りうなぎ街道ルートは過酷だった。うな重で充填したパワーもあっという間に消費してしまい、仁淀川をバタバタで渡り、やっとのことでホテル到着。
しかし、雪渓寺→種間寺➕散髪➕うな重→土佐市の本日の新ルート設定は「お遍路さんにもお勧めしたいね」で、竹内記者と意見がぴったり合いました。
改良点があるとすれば、宿泊を土佐市のホテルではなく手前の「春野の湯’」あたりに設定しておけばベストでした。参考にしてください。

1日目「うれしい無料洗濯サービス」

1日目
距離 21.9km
歩数 30,125歩

高知市の中心部はりまや橋から歩き始めて、31番札所竹林寺→32番禅師峰寺→33番雪渓寺まで歩いた。
竹林寺ではご住職の海老塚さんが待っていてくれて、本堂で般若心経を詠んでこれからの1400kmの長旅の無事を祈ってくれた。
海老塚さんの声は本当に美しく心にしみる。
声がいいことはお坊さんの必須要件かなとなどど余計なことを考えた。

50年ぶりにご開帳されている秘仏文殊菩薩のお顔を拝んだが、その横顔の美しさに息を飲んだ。
「50年に一度しか外の空気を吸えない文殊様の哀しみのようなものを感じるね」と同行の高知新聞の竹内記者が美しいコメントを吐く。
私は「50年に1歳しか年をとらないから若々しい顔立ちなのか」と思う。
海老塚さんも前に見たのは子供の頃だったと言っていた。
私も竹内記者も次のご開帳は見れないのだと思うと、人間という生き物の刻む時のはかなさに暗然とする。

お遍路道のあちこちに花が咲き乱れ、様々な花の香りをはしごしながら歩く。
とりわけ強いのは柑橘の土佐文旦の白い花の香りだ。近くを通ると「花に酔う」感じになる。
これはお歩き遍路をしないと体験できない「花酔い」だ。

禅師峰寺は境内からの土佐湾のの眺めが素晴らしい。
五月の海風を胸いっぱいに吸って、リフレッシュしてから次の雪渓寺へ。
15kmを越えたあたりで太ももが徐々に重たくなり始めて、筋肉痛の攻撃が始まるが、なんとか種崎の渡船場に着く。

次の船の出航を待つ間、高知新聞の竹内記者は明日の朝刊に載せるコラムを書き始めた。
連載「ハマちゃんと歩く1200年目の88カ所」は私のお遍路に完全同行する竹内記者が書くコラムで、歩いている間は欠かさず、前日の様子を次の日の朝刊に載せるという意欲連載である。
竹内記者が記者生命をかけて取り組む(本人談デス)チャレンジ企画だ。高知新聞をお読みの方はぜひご愛読ください。
お遍路をしながら毎日夕方6時までに原稿を送らなければいけないので、確かに大変そうだ。
はたして計画通り連載が続くのか、一緒に歩きながら見守りたい。

第一日目の宿は雪渓寺山門前の「おへんろの宿 高知屋」。
ご飯が美味しいと評判のへんろう宿である。
確かに6500円の民宿価格にもかかわらず、夕ご飯にてんこ盛りの鰹のタタキがついた。
なるほどと思ったのは、着替えを預けると翌朝にはちゃんと洗濯をして乾いた衣服を戻してくれるサービスだ。
これはありがたい。
どんな一流ホテルにもないサービスである。お遍路さんに人気がある理由がわかった。

★ ★ ★

【写真】
写真 1
竹林寺海老塚住職に見送られて。「途中、釣りしたい煩悩に負けないように」との餞別のお言葉。^_^

写真 2
金剛杖に混じって黒ちゃんのトレッキングポールが。ものすごい違和感です。

写真 3
外国人お遍路が増えているのでこんな看板も。デザインがかっこええなあ。

写真 4
のどかな遍路道に立派な道標。ある石屋さんがボランティアで作ってくれていると聞いた。ありがたい。

写真 1
黒ちゃんのザック。重量7.6kg。向こうは土佐湾の水平線。

写真 2
禅師峰寺から土佐湾をのぞむ。山内容堂公も参勤交代のために江戸に向かう際には必ずここへ立ち寄ったという。

写真 3
種崎渡船場で執筆活動中の高知新聞社会部の竹内記者。私の1400キロの旅のパートナー。
こんなことしてて会社を首にならないとは。高知新聞って結構スゴイ会社かも。^_^

写真 4
午後5時にしてこのお遍路さんの集団。33番札所雪渓寺の境内。今年が88箇所開創1200年の節目らしい光景かも。

写真 1
翌朝には乾いた洗濯物が戻ってくるサービスが素晴らしい「おへんろの宿 高知屋」

写真 2
高知屋の朝食。朝6時からのお遍路メニュー。

Let’s go o-henroad!黒ちゃんの「釣りときどきお遍路」日記

ごあいさつ

弘法大師信仰によって四国霊場88ヶ所が開創されて今年でちょうど1200年。
お遍路さんの歩く道、全長1400kmの遍路道は四国が世界に誇る貴重な祈りの道であり、文化遺産であることはいうまでもありません。
しかし、歩き遍路(全行程を徒歩でたどるお遍路スタイルのこと)の立場でこのルートをいろいろ点検してみると、排気ガスにまみれて車といっしょに歩かなければならなかったり、真っ暗なトンネルを手探りで歩く箇所があったりと、お遍路さんにとって必ずしも快適な旅とはいえません。

若くて好奇心に満ちた若い人たちや国際感覚を備えた外国人などがどんどんやってきて、その素晴らしさを世界に広く発信する役割を担うようにならないと、貴重なお遍路文化が先細りになるだけでなく後世に残すこともできなくなるのでは、と黒ちゃんは危惧しています。

いままでの「正しい」お遍路のレールのほかにもう一本、「楽しい」お遍路のレールを敷けないか。先を急ぐお遍路のほかに、先を急がないお遍路ができないか。悩みや煩悩を抱えるお遍路のほかに、刺激を求めるお遍路ができないか…。今まで単線だったお遍路の線路を複線にしてお遍路のハードルをもっともっと低くし、今までお遍路に興味を持たなかったたくさんの人に遍路に興味を持ってもらおう。そう考えて、黒ちゃんは同じ思いを持つ仲間と、1年前に「お遍路ード(おへんろーど)プロジェクト」を立ち上げました。

「お遍路ードプロジェクト」の目標は、1200年続いた貴重なお遍路文化を後世に伝える担い手として若いお遍路さんや外国人のお遍路さんを増やして国際的な「祈りの道」をつくること、安全で快適で、観光にも使える美しい1400kmの「お遍路専用道」を作ること。

ただ、実現のへ道は簡単ではないでしょう。お遍路を「観光」として捉える視点、お遍路さんを「旅行客」として扱うホスピタリティ、お遍路の周囲にさまざまな「ビジネスチャンス」を見つける努力がどうしても欠かせません。
実際にお遍路をしながらその方策をいろいろ考えてみる必要があるな。そう思い立って、2014年5月10日を期して歩き遍路に出ることにしました。私は高知家の人間なので、スタートは高知市五台山にある31番札所竹林寺、ゴールも竹林寺にしました。毎月7日から10日間・を歩く「区切りうち」というやり方で、88ヶ所1400kmのロングディスタンス・トレイルをたどる旅になります。

その旅のありさまを日々刻々リアルタイムで、このブログで伝えていくつもりです。
どうかよろしくお願いいたします。

追伸
黒ちゃんは自他ともに認める釣りバカなので、弘法大師さまと釣り竿を背負ってのお遍路旅になります。
先を急がないので、良い釣り場があれば足を止め竿を振るし、お遍路道をはずれて遠回りもします。
刺激を求めて、夜は居酒屋にも行くし、お酒も少し飲みます。

どうかお許し下さい。