1日目「うれしい無料洗濯サービス」

1日目
距離 21.9km
歩数 30,125歩

高知市の中心部はりまや橋から歩き始めて、31番札所竹林寺→32番禅師峰寺→33番雪渓寺まで歩いた。
竹林寺ではご住職の海老塚さんが待っていてくれて、本堂で般若心経を詠んでこれからの1400kmの長旅の無事を祈ってくれた。
海老塚さんの声は本当に美しく心にしみる。
声がいいことはお坊さんの必須要件かなとなどど余計なことを考えた。

50年ぶりにご開帳されている秘仏文殊菩薩のお顔を拝んだが、その横顔の美しさに息を飲んだ。
「50年に一度しか外の空気を吸えない文殊様の哀しみのようなものを感じるね」と同行の高知新聞の竹内記者が美しいコメントを吐く。
私は「50年に1歳しか年をとらないから若々しい顔立ちなのか」と思う。
海老塚さんも前に見たのは子供の頃だったと言っていた。
私も竹内記者も次のご開帳は見れないのだと思うと、人間という生き物の刻む時のはかなさに暗然とする。

お遍路道のあちこちに花が咲き乱れ、様々な花の香りをはしごしながら歩く。
とりわけ強いのは柑橘の土佐文旦の白い花の香りだ。近くを通ると「花に酔う」感じになる。
これはお歩き遍路をしないと体験できない「花酔い」だ。

禅師峰寺は境内からの土佐湾のの眺めが素晴らしい。
五月の海風を胸いっぱいに吸って、リフレッシュしてから次の雪渓寺へ。
15kmを越えたあたりで太ももが徐々に重たくなり始めて、筋肉痛の攻撃が始まるが、なんとか種崎の渡船場に着く。

次の船の出航を待つ間、高知新聞の竹内記者は明日の朝刊に載せるコラムを書き始めた。
連載「ハマちゃんと歩く1200年目の88カ所」は私のお遍路に完全同行する竹内記者が書くコラムで、歩いている間は欠かさず、前日の様子を次の日の朝刊に載せるという意欲連載である。
竹内記者が記者生命をかけて取り組む(本人談デス)チャレンジ企画だ。高知新聞をお読みの方はぜひご愛読ください。
お遍路をしながら毎日夕方6時までに原稿を送らなければいけないので、確かに大変そうだ。
はたして計画通り連載が続くのか、一緒に歩きながら見守りたい。

第一日目の宿は雪渓寺山門前の「おへんろの宿 高知屋」。
ご飯が美味しいと評判のへんろう宿である。
確かに6500円の民宿価格にもかかわらず、夕ご飯にてんこ盛りの鰹のタタキがついた。
なるほどと思ったのは、着替えを預けると翌朝にはちゃんと洗濯をして乾いた衣服を戻してくれるサービスだ。
これはありがたい。
どんな一流ホテルにもないサービスである。お遍路さんに人気がある理由がわかった。

★ ★ ★

【写真】
写真 1
竹林寺海老塚住職に見送られて。「途中、釣りしたい煩悩に負けないように」との餞別のお言葉。^_^

写真 2
金剛杖に混じって黒ちゃんのトレッキングポールが。ものすごい違和感です。

写真 3
外国人お遍路が増えているのでこんな看板も。デザインがかっこええなあ。

写真 4
のどかな遍路道に立派な道標。ある石屋さんがボランティアで作ってくれていると聞いた。ありがたい。

写真 1
黒ちゃんのザック。重量7.6kg。向こうは土佐湾の水平線。

写真 2
禅師峰寺から土佐湾をのぞむ。山内容堂公も参勤交代のために江戸に向かう際には必ずここへ立ち寄ったという。

写真 3
種崎渡船場で執筆活動中の高知新聞社会部の竹内記者。私の1400キロの旅のパートナー。
こんなことしてて会社を首にならないとは。高知新聞って結構スゴイ会社かも。^_^

写真 4
午後5時にしてこのお遍路さんの集団。33番札所雪渓寺の境内。今年が88箇所開創1200年の節目らしい光景かも。

写真 1
翌朝には乾いた洗濯物が戻ってくるサービスが素晴らしい「おへんろの宿 高知屋」

写真 2
高知屋の朝食。朝6時からのお遍路メニュー。